コンテナコラム

COLUMN

「ISOコンテナ」と「JISコンテナ」って何が違うの?

コンテナで建築物を建てる時には日本の厳しい建築基準法を守らなくてはいけません。

その中でよく言われるのが、

「ISOコンテナではNGである。」

「JISコンテナでなくては許可が下りない。」

という話です。

 

では、

「ISOコンテナ」「JISコンテナ」って何なのでしょう?

 

「ISOコンテナ」

ISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関 International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称です。

ISOの主な活動は国際的に通用する規格を制定することで、ISOが制定した規格をISO規格といいます。ISO規格は、国際的な取引をスムーズにするために、何らかの製品やサービスに関して「世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるようにしましょう」という国際的な基準です。

ここで言う「ISOコンテナ」とは、ISO規格のサイズで製作されている海上輸送用コンテナという意味です。

国際的にサイズ規格を統一することで、世界中のコンテナ船のネットワークに乗せることができ、運送コストを大幅に低減することが可能になるのです。


「JISコンテナ」

JISとは、日本産業規格、Japanese Industrial Standardsの略称です。

(日本工業規格から2019年に改称)

日本独自の規格で、各主務大臣が制定する規格であり、日本の国家標準の一つです。

ここで言う「JISコンテナ」とは、JIS規格の鋼材で作製されたコンテナと言う意味です。

なぜJIS規格の鋼材で作製されるかと言うと、多くの場合このコンテナは建築用に使われるのですが、日本の建築基準法に「鉄骨造の場合はJIS規格の鋼材を使うこと。」と謳われているからです。

逆に言うと、JISコンテナを使わないと、基本的には違法建築になってしまうのです。

JISコンテナもサイズに関してはISO規格を守って作られます。

そうする事で、世界中のコンテナ船のネットワークに乗せることが可能になるからです。



「ISOコンテナ」と「JISコンテナ」の関係を簡単にまとめると下表の様になります。


 

ISO海上輸送用コンテナ

JIS建築用コンテナ

サイズ

ISO規格

ISO規格

材質

不明

JIS規格

コンテナ船輸送

可能

可能

建築基準法

不適合

適合

 

 


昨今では、コンテナを使った建築に対して規制が厳しくなっており、行政によっては確認申請時にミルシート(材料証明)の提出を求める場合もあります。

業者によっては、「ISOコンテナでも大丈夫です。」と言うところもある様ですが、

知らずに違法建築を建ててしまう事のない様に注意したいものです。


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